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【FC塾最前線】第3回 四つのFC塾モデルの展開状況

 

小資本開業とデジタル教材で、一気に教室数を伸ばす新興グループ

新興グループは、雨後の竹の子のようにここ数年で加速度的に増えた。個別指導のセルモやSSS進学教室をはじめ、フィスゼミ(㈱学凛社、中野耕治代表、東京都国分寺市)、個別指導ヒーローズ(東海出版㈱、鈴木克美社長、浜松市中区)、英才個別指導学院(㈱エイサイ・コミュニケーション、今本雅裕代表、川崎市中区)などが続く。新興の多くが小資本開業、デジタル教材のいずれか、もしくは両方を採択している。

この背景には前述の通り、個別指導のシェアが年々上昇していること、そこに定年退職や早期退職者層の個人起業家をターゲットに、小資本で開業できるFC本部が増えていることがある。実際に多くの新興FCは、加盟初期コストが低く、大手の半額以下、加盟モデルによっては数分の一になるケースも珍しくない。

小資本モデルは、教室の大きさも一〇坪程度、本部による備品や広告宣伝の縛りも弱く、かつデジタル教材を活用することで、人件費を大幅にカットすることにより、運営コストが低く抑えられる。結果、損益分岐点となる生徒数は、一〇人程度まで下がり、低い売上でも利益が出やすい仕組みになっている。

また、教室の規模に応じたマーケットを考えると、既存の個別指導に比べて格段に小さなマーケットになる。これを「マイクロマーケット」と名付けたい。マイクロマーケットは、学区一校分でひとつのマーケットを形成するから、町内のあちこちに教室を展開できる計算になる。今後、この細分化されたマイクロマーケットを舞台に、戦いの火蓋が切られることは間違いないだろう。

 

いよいよ動き出した集団指導塾各社

集団グループは、豊富な資本を背景に個別指導教室展開を図っている。個太郎塾、城南コベッツ、京進スクール・ワンのように一〇〇教室規模の企業が増えてきた。授業研究熱心な集団指導塾らしく、教務システムに力を入れているケースが多い。しかし集客面では、老舗グループや勢いのある新興グループの水準には達していない教室も見られる。これは企業として、主力事業である集団指導に資本や人材を集中してきた歴史があると考えられる。ただし、ここ数年はこの傾向も薄れ、個別部門に力を入れる集団指導塾が増えてきた。個別指導FC部門の売上が前期比で一五〇%超の企業もあるように、実際に多くの集団指導塾の個別指導FC部門の収益は伸びている。

 

対象年齢層を広げる異業種FC

異業種グループでは、ナガセが映像授業の老舗として「東進衛星予備校」を展開してきたほか、小学校英語導入に合わせ、東進こども英語塾を全国二万二千教室をめざして展開中。また、㈱日能研関東と㈱河合塾進学研究社(河合塾グループ)による共同出資により設立された、「学習教室ガウディア」。これらのパッケージの対象は、小学生や幼児といった、いわゆる今までの個別指導では対象になり難かった生徒層である。ECCは、自宅に居ながらオンラインで授業が受けられるウェブ中学生個別指導を開始した。

 

さらなる拡大に向けて老舗グループの次の一手は

老舗グループは、教室展開においては全国を網羅することを前提にしている企業が多いなか、明光義塾やスクールIEのように、グローバルに海外展開を行う企業も出てきた。同時に、新商品やサービスの開発も活発である。個別指導のトップランナーである明光義塾は、早稲田アカデミー(㈱早稲田アカデミー、瀧本司社長、東京都豊島区)と、進学実績を重視する個別指導「早稲田アカデミー個別進学館」のFC展開を予定しているほか、「明光キッズ」ブランドで学童保育併設型の教室展開や、昨年12月には米国のアート教育プログラム「アブラカ ドゥードル」の国内FC権の譲り受けることが決まっている。

スクールIEは、英会話や幼児教室、英語による学童保育の併設に加えて、自分力を高める商品を開発しサービスの向上を図る。ITTO個別指導学院のジー・エデュケーションは、リーダーシップ開発講座の7つの習慣や英会話のNOVAを組み合わせた「みやび個別指導学院」や、講師も生徒も女性に限定した個別指導塾「すみれ個別指導学院」の展開を昨年から開始している。グリーンシート銘柄の名学館は、名学館EXCELの展開や、ガウディアの導入を始めている。ペガサス、学研CAIの両社は、デジタル教材が脚光を浴びる前からPCを使った自立学習教室を展開してきた。

このように、大手を中心にこれまで培ったFCのノウハウを元に、新パッケージの開発や構築を精力的に行っていることが垣間見える。さらに、現在の成熟した市場から、新たなステージに向かって飛び出そうとしているとしている兆候ととることもできるだろう。

低資本で開業できることを武器に増え続ける新興グループ。様々なパッケージで参入する異業種グループ。潤沢な資本を持って追いかける集団グループ。そして彼らを迎え撃つ老舗グループ。現在のFC塾市場には、そんな構図が浮き彫りになっている。

(次回では各社の新戦略について考察してみる)

 

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