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FC教室のための経営管理術

第10回
デフレに成熟した社会。
少子化による市場の縮小。
先行きが見えない中、現在の状況にどう対応するのか。
経営教育研究所 今野 篤
長期短期2つの視点
経営には二つの視点が必要である。それは短期的視点と長期的視点。前者は今を生き残るために、収益構造の見直しとコストコントロールをする。言い換えれば、高効率経営への変革である。これは経営の必要条件だと捉えることができる。一方後者は次世代への備えであり、戦略投資や優秀な人材の確保、教育・社内風土の改革を長期に亘って実施する。これは変化に対応できる組織への変革であり、経営にとって十分条件になる。
例えFCの一教室でも、それは小さくても立派な経営母体である。だから継続的な教室発展のためには、上記に挙げた二つの視点から教室を見つめることが必要だ。ただし長期的視点に限ってみれば、小さなうちはオーナーの頭の中に描かれていればOKである。もちろん、スタッフやSVとの共有は言うまでもない。ある程度生徒が集まっているのになかなか利益が出ない、売上に対して講師給与が高い、授業料単価が低い、このような教室は一度短期的視点を見直すことによって経営基盤を強化したい。そして高効率経営教室への変革を成し遂げるのだ。
固定費を圧縮、変動費を操る
個別指導は、固定費が低いことと講師の大半が大学生の時間給講師であるがゆえに、変動費が大きい。そのために比較的損益分岐点を下げやすい。一方、集団指導は、固定費が高く変動費が小さいため、どうしても損益分岐点は高くなってしまう。これは講師の正社員比率が個別指導に比べるとぐんと高くなり、人件費がかかるからである。
利益の伸び代としては、集団指導に一日の長がある。これは、固定費は大きいが、その他の変動費は小さくなるために、総費用直線の傾きは緩やかになるからだ。その結果、損益分岐点後の利益の伸びは大きくなる。しかし、今日のような不況や少子化に陥り、思うように生徒が集まらないと、固定費の負担が大きくなり、以前に比べて利益を生み出すことが困難になってくる。
そのような状況に陥らないためにも、固定費の圧縮と変動費の削減に努めたい。特に多くのFC塾は個別指導であり、アルバイト講師で賄っていると思う。そのため、変動費であるアルバイト講師の給与コントロールは大変重要になってくる。また同時に固定費の圧縮も手掛けたい。一番手っ取り早いのが広告宣伝費である。折込みチラシのみに頼ることなく、自教室にマッチングした広告宣伝を行えば、その費用は必ず削減できる。
以前ご紹介したウェブサイトやブログの活用が、その一例である。これらがうまくマッチングして機能すれば、例えば月の売上が百万円で利益がほとんど出ていない教室でも、利益を出すことができるのだ。
収益構造を見直す
売上の拡大をすべく、収益構造の見直しにも着手する。通常、FC塾の商品というと個別指導授業がそれに当たる。ほとんどの塾が、一: 一から一: 四ぐらいの個別指導が行われている。個別指導は生徒に合った指導がし易い反面、個別指導のみの単一ラインアップでは、なかなか売上が上がりにくい。これは授業料の高さがネックになっていることは間違いない。なにせ、個別で五教科、週五回通うと、残念ながら月謝はお父さんのお小遣いより高くなってしまう。この月謝を払える家庭は稀だろう。
できるだけ低い費用で望む学力まで到達できないものだろうか。そこで、「成績アップ」「個別指導」「月謝の優先順位」で教室運営の在り方を考え、収益構造の見直しに着手するのだ。ここでは、各FC塾でラインナップされている個別指導以外の授業を、最大限活用してみることにする。
例えば、週三回授業に来ている生徒がいるとする。英語と数学を週一回ずつ、残り週一回は隔週で理科と社会に当てている。国語は家庭学習で対応してもらっている。月謝はここでは週一回で一万円とする。だからこの生徒の月謝は三万円になる。このような生徒に対して、なんとかして個別のFC塾でも、五教科対応できないものだろうか。そこで国語・理科・社会の集団授業を設定してみる。
時間は各一時間、月謝はズバリ一万円。これなら月謝は三万円で変わらず、五教科対応できる。このように生徒が五教科対応の授業をとったら、売上は変わらないが確実に経費は減らすことができる。個別なら毎回払う講師への給与が、集団だと一回で済むからである。また、それ以外にもまた思わぬ効果もある。それは英語と数学のみ週二回で通っている生徒から、集団コースへの申込みがあることだ。やはり五教科教えてもらえる、これは生徒にとっても大きな安心感に繋がる。仮に一〇人の新規の生徒がこの集団授業を受講すれば、売上は一〇万円上がることになる。
個別指導塾なのに、集団授業なんてとお叱りを受けるかもしれない。しかし、月謝面から、個別で五教科見るのは現実的ではない。塾として一番大事なことは、生徒の成績を上げることである。それには集団指導の活用が効果的だ。そして集団指導を導入することにより、収益構造を変えることができるのだ。その結果、教室経営の財務基盤の強化につながる。次号では、このような収益構造の見直しやコストコントロールによって、高効率経営教室へ変革した事例をいくつかご紹介したい。
| 2011.10.18 | 第10回FC教室のための経営管理術 |
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| 2010.09.01 | 第9回スーパーバイザーの役割 |
| 2010.08.01 | 第8回オーナーvsスーパーバイザー |
| 2010.07.01 | 第7回塾FCマーケティング術 |
| 2010.06.01 | 第6回本部に申す!オーナー発作的覆面座談会開催 |
| 2010.05.01 | 第5回フランチャイズ・ショーから見る2010年 学習塾フランチャイズ・トレンド |
| 2010.04.01 | 第4回フランチャイズ流人材育成 |
| 2010.03.01 | 第3回差別化の図り方 |
| 2010.02.01 | 第2回フランチャイザー(本部)との付き合い方 |
| 2010.01.01 | 第1回学習塾フランチャイズの今 |










